EC運営を安定して行うためには既存商品だけに拘らずに新商品をリリースする必要があります。
しかしせっかく新発売したのに思うように売上が伸びなかったり、頑張っているんだけど、どうもこの商品はうまくいかない、どうしたらいいのだろう?と、運営者の悩みはつきません。
さまざまなビジネスがある中でネットショップを選択しいざ開業したものの、なかなか思うように売り上げが伸びないことはありませんか?
原因のひとつとして、もしかしたらスタートする時点で方向性のズレがあったのかもしれません。
最初の商材選びでその後の運営が大きく変わってしまうことがあります。
今回はその商材の選定基準を、EC運営歴10年の筆者が体験談と合わせて解説していきます。

何を売る?ネット物販ビジネスで失敗しない商材選定

商材選びはネットショップ運営の成功を大きく左右します。
商品の需要が低すぎると売上は伸びませんし、かといってあまりにもレッドオーシャン市場に自社商品を突っ込んでしまうと利益が全然とれないことがあります。
まずは商材選びの重要性を理解することが第一歩です。
商材選定時に必須の市場調査・ライバル調査
商材を決める前に、市場規模や競合状況を把握することが重要です。
実はこの商材選定、店舗運営していく中での重要度はかなり高いです。
市場規模がどのくらいあるのか、そして既存のライバルたちに勝てる見込みがあるのかを分析する必要があります。
市場規模の調査
- Googleトレンドで需要推移をチェック
- 楽天市場・Amazonの売れ筋ランキングを参考にする
- ネットリサーチツールで月間検索ボリュームを確認
市場調査ではまず、その商品の全体的な市場規模を知ることが大切です。
例としてはベンチマーク商品を1つ選び、その商品の年間売上金額が分かるのが1番いいです。
例えば楽天に出店しているのであれば楽天ECコンサルに聞いてしまってもいいですが、開業当初はそれがわかる手段が乏しいです。
なのでGoogleトレンドやキーワードプランナーでなどでその商品のビッグキーワードを打ち込み、だいたいの予測はつけてみましょう。
既存ライバルの調査
既存ライバルに勝てる見込みがあるかどうかの調査です。
例えばベンチマーク店舗が同類商品の複数展開をしていて、その1社がその同カテゴリのシェアを占めてしまっている場合は手を出さない方がいいかもしれません。
特に1社がシェアの70%を取っているなら、踏み込むべきではありません。
逆に85%以上のシェアを占めていると、今度はその市場自体が縮小する可能性があります。これは1社が独占することによって価格競争がなくなることや、新しい技術をもった新製品の登場が出にくくなることによって起きる現象です。
※実際には70%などという数値をだせる手段が乏しいです。ですが楽天にすでに出店している場合などはある程度の数値は出せます。
ですので開業時に関しては、1つの商材にこだわらずに、最初はさまざまな商材を扱ってみるのも手段の一つです。
- 上位表示している競合ショップの強み・弱みを分析
- 商品レビューを読み込み、顧客の不満や要望を把握
- 価格帯・付加価値・販売戦略を比較

EC販売の商材選定で「自分の好きなもの」を売る?
例としてご自身でペットを飼っていたとします。ペットが好きすぎてペットアイテムにもこだわり自分で販売するまでいくパターンもあるはずです。
こういったぱパターンも良いとは思います。
嫌いなものを売るより全然いいです。
こんなペットアイテムがあれば、もっといいのになあ。と、それを自分で販売してしまうくらい熱量があり好きであればそれは最終的にその熱意は顧客に伝わります。
ただし商材選定理由が好きというだけでその商材を選ぶのは危険です。
前述したように、その商材の市場規模と既存ライバルのシェア率や存在のほうが重要ですので、好きな商材で尚且つ市場調査とライバル調査もOKであれば少しずつ試しながら販売してみましょう。
自分の好きな商品を選ぶとモチベーションは続きますが、必ず需要と利益率のバランスを考えることが重要です。
情熱があればやるべきです。何度もいうようにその情熱が顧客に伝わり顧客満足度のパフォーマンスが大きく伸び、それが自店舗の成長を大きくする要因にもなるからです。
ネット物販の商材選定でトレンドは追わない方がいい
一時的なブームで爆発的に需要が高まるモノはいろいろあります。
そのブームに乗ろうと、急いで準備して「さあ商品販売しましょう!」となった時にいきなりブームが下火になることはよくあります。
また当然ですが他社も同じことを考えます。
その結果あっという間に価格崩壊が起こり、大量の在庫を抱えてしまっては意味がありません。
筆者はトレンドを追うことは無かったですが、取り扱い商品がたまたま特需になり売上が爆発したことが何度もあります。
一見美味しいように思えますが、その数か月後にライバルがワンサカ増えてしまい安定して販売できていたものが価格競争に巻き込まれるようなこともありました。
元々先発として販売していてもそんなですから、後発でトレンドを追ってもリスクが大きいです。
- 競合が急増しやすい
- 在庫リスクが高い
- 一時的なブームで終わる可能性大
長期的に安定した運営を目指すなら、トレンドより「定番商品」や「ロングセラー」を狙うのをおススメします。
ニッチな商品のメリットとデメリット
ニッチ商品のデメリット
ニッチ商品のデメリットは市場規模が大きくないことです。
規模が大きくないということは全体的な売上が大きい数字になりずらいです。
そして参入してから結果が出るのに期間が長くなる場合が多いです。
- 市場規模が小さいため売上の天井が低い
- 広告を打っても集客に時間がかかる
- 需要変動に弱い
ニッチ商品のメリット
資本を持った大手のライバルが参入してこないです。
資本を持っている企業は市場規模が大きいところを率先して狙ってくるので、わざわざ規模が小さい市場にやってきません。
ニッチな市場の場合、その市場で自社がナンバー1になることができると安定度が一気に増します。
結果が出る期間が長い代わりに結果がいい方向にでてしまえば、その後の運営がとても力強いものになります。
- 競合が少なく差別化しやすい
- 検索意図が明確なのでSEO対策しやすい
- リピート率が高い傾向がある
EC通販の商品選定後の販売戦略

販売テクニックより基本を優先する
EC運営に関して、大筋の基本があります。
その基本を学ぶ前からテクニック的な事に注力するのはやめましょう。
知識を付けテクニックのみでどうにかなってしまうこともありますが、長続きしません。
まずは基本を学び、着実に力を付けていくことをおすすめします。
シンプルに販売開始し、最初から複雑な戦略を練るより、まずは出品・検証・改善のサイクルを早く回すことが大切です。
- 売れる商材
- 適正なキーワード設定と広告運用
- 訴求力がある商品ページ
この3つは一例です。
購入後のアフターフォロー・レビュー施策・セール時の戦略・商品同梱物のクオリティー・メルマガ、LINE戦略などやることは山ほどあります。ですのでそれだけやっていればいいというわけではないですがとりあえず最初の基本です。
オリジナリティを出す
特に楽天・Amazonのようなモールで商品を出品すれば同じような他社商品が横に並びます。その中から顧客に自社商品を選んでもらう必要があります。
自社商品を選んでもらう理由や、商品の独自性・強みを謳いそれをランディングページで伝える。ということはその一例です。
コンテンツの充実を図り、クオリティーをきちんとターゲット層にあわせたものにしていく。
そうでなければ隣に並んでいる安価なライバル商品にお客様は手を伸ばします。
隣にならんでいるライバル商品の商品ページを真似するのは否定しません。実際に筆者も参考になるものは真似してきました。
重要なのは、そこにプラスαで自分のオリジナル性をいれるかどうか。
画期的な新技術や新特許を持ったような商品をリリースするわけではないのであれば、単純な真似だけですと先発組のライバルに、いつまでたっても先を越されます。
いいところは真似して、さらに自分のオリジナリティを商品に追加して独自性を持った商品を作ることが大切です。
- 商品説明文にストーリーを入れる
- 梱包や購入特典で付加価値をつける

一度きりの成功事例に頼らない
運やタイミングが良く、失敗無しでたまたま上手くいってしまうことがあります。
しかしその成功体験の原因が分からないと、同じ手法で再度試みたときに大抵失敗します。
運とタイミングが良かっただけ。と、いうことを理解せずに「自分の実力だ」と過信してしまうことは良くありません。
自分が体験した成功例の原因を理解することが大切です。
過去に売れたからといって、未来も売れるとは限りません。
市場は常に変化するので、継続的にデータを分析して改善を繰り返すことが重要です。
継続的に安定したネットショップ運営をするために
長期的に運営してきた人であれば、1度くらいは爆発的に売上が伸びた実績を持っていることが多いです。
その時に、どうような思考でどのように動くかでその店舗の今後が決まります。
私も経験がありますが、運良く世の中の情勢の影響で売上が爆発したことがありました。
今から考えれば運の要素が大きかったですが、その時は自分の実力だとすこしだけ調子に乗りました。
そんな時に、「いや、これは今がたまたま運がいいだけだ。いいことは長くは続かない」と自制の念を込めるのが大切だと知りました。
ネットショップ運営だけでなく、すべてのビジネスでも同様のことが言えるはずです。
なので上手く行ったと感じた時にはさらに違う新しいことへの取り組みをして、またうまく行かなかったときは、その失敗を糧に試行錯誤を繰り返せばいいのです。
そのような思考で販売継続していくことが一番大切です。
まとめ
まずは商材選びが成功のカギであるということ。
投入する市場調査・ライバル分析は必須であること。
ニッチな商品であれば差別化も有効であるため、長期的な安定した運営も望めることもあるため、トレンドより長期安定型を狙うほうが有効であること
売れたからといいそこで満足するのではなく継続的な改善が最も重要であること
私はEC運営歴10年ですので多少の知識とノウハウだけは少しだけもっております。
もしご質問があればお問い合わせフォームからご連絡ください。
今回は以上です。

